遅延起動回路は「少し待ってから動かす」ための回路
遅延起動回路は、入力条件がONになったあと、すぐに出力をONするのではなく、 設定時間が経ってから出力をONするために使います。
たとえば、起動ボタンを押してから数秒後にモーターを動かしたい場合や、前の動作が安定してから次の出力を入れたい場合に使います。
先輩遅延起動は、タイマー回路を現場の動きに使った代表例だよ。
後輩入力が入ってから、タイマーが終わるまで出力を待たせるんですね。
基本の流れは「入力ON → タイマー開始 → 出力ON」
遅延起動回路を見るときは、どの条件でタイマーが動き始めて、どのタイマー接点で出力しているかを分けて追うと分かりやすくなります。
1. 入力条件がON
押しボタン、センサー、内部リレーなどがONになります。
2. タイマーが計測開始
入力条件が成立している間、タイマーが設定時間に向けて計測します。
3. 設定時間に到達
タイマーが完了すると、タイマー接点がON条件として使えるようになります。
4. 出力がON
タイマー接点を条件にして、ランプ・モーター・次工程などをONします。
タイマー回路との関係
遅延起動回路は、タイマー回路の考え方をそのまま使います。 「何秒待つか」だけでなく、「何を待ってから動かすのか」を見るのがポイントです。
遅延起動回路の簡略ラダー例
ここでは、起動条件X0がONしてから5秒後に出力Y0をONする例で考えます。
| 段 | 条件 | 動作 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 1段目 | X0 起動条件 | T0 K50 | X0がONすると、T0が5秒を数え始める |
| 2段目 | T0 接点 | Y0 出力 | T0が時間到達すると、Y0がONする |
| 途中解除 | X0 OFF | T0解除 | 入力条件が切れると、基本的にはタイマーも解除される |
GX Works3で見るときの注意
タイマーの設定値や単位は、PLC機種・命令・設定によって変わります。実機では必ず使用しているCPUと命令表記に合わせて確認してください。
現場ではどんな場面で使う?
遅延起動回路は、設備を安全・確実・順番通りに動かすためによく使います。
- 起動ボタンを押して数秒後にモーターを動かす
- ランプやブザーを少し遅らせてONする
- エア機器やセンサーが安定するまで待つ
- 前工程が終わってから次工程を動かす
- 起動直後の誤検知を避けるために確認時間を作る
実務では「なぜ待たせているか」を見る
遅延時間には、機械側の動きや安全上の理由があることが多いです。 ただ時間だけを見るのではなく、設備の動き・センサーの状態・前後の条件とセットで確認します。
遅延起動回路で確認したいポイント
何をきっかけに待つか
押しボタン、センサー、内部リレーなど、どの条件でタイマーが始まるかを確認します。
何秒待つ設定か
K値やタイマー単位を見て、実際にどれくらい待つのか確認します。
待った後に何が動くか
タイマー完了接点が、どの出力や次工程条件につながっているかを追います。
途中で入力が切れた時
タイマーがリセットされるのか、保持されるのかを確認します。
時間だけを変えない
遅延時間を変更すると、設備の動作順や安全確認のタイミングが変わることがあります。 現場では、タイマー値だけでなく前後の条件も一緒に確認することが大切です。
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遅延起動回路は、タイマー回路・自己保持・インターロックと組み合わせて見ると理解しやすくなります。