PLC BASIC

遅延起動回路とは?
少し待ってから起動する基本の考え方

遅延起動回路は、入力が入ってすぐに動かすのではなく、タイマーで少し待ってから出力をONするための基本回路です。

向いている人

  • タイマー回路の実用例を知りたい人
  • モーターやランプを少し遅らせて動かす考え方を学びたい人
  • PLC初心者で、順番動作の基本を整理したい人

まだ不要な人

  • PLCの入力・出力の意味がまだ分からない人
  • タイマー命令の基本をまだ見ていない人
  • 高度なシーケンス制御だけを調べたい人

先に結論

  • 遅延起動は「入力ON後に少し待ってから動かす」回路
  • タイマー接点を使って出力をONする
  • 起動順や安定待ちに使いやすい

この記事で分かること

遅延起動回路は「少し待ってから動かす」ための回路

遅延起動回路は、入力条件がONになったあと、すぐに出力をONするのではなく、 設定時間が経ってから出力をONするために使います。

たとえば、起動ボタンを押してから数秒後にモーターを動かしたい場合や、前の動作が安定してから次の出力を入れたい場合に使います。

遅延起動回路の基本の流れ
入力ON後にタイマーで一定時間を待ち、設定時間に到達してから出力がONになる流れです。
説明する先輩キャラクター

先輩遅延起動は、タイマー回路を現場の動きに使った代表例だよ。

質問する後輩キャラクター

後輩入力が入ってから、タイマーが終わるまで出力を待たせるんですね。

基本の流れは「入力ON → タイマー開始 → 出力ON」

遅延起動回路を見るときは、どの条件でタイマーが動き始めて、どのタイマー接点で出力しているかを分けて追うと分かりやすくなります。

1. 入力条件がON

押しボタン、センサー、内部リレーなどがONになります。

2. タイマーが計測開始

入力条件が成立している間、タイマーが設定時間に向けて計測します。

3. 設定時間に到達

タイマーが完了すると、タイマー接点がON条件として使えるようになります。

4. 出力がON

タイマー接点を条件にして、ランプ・モーター・次工程などをONします。

タイマー回路との関係

遅延起動回路は、タイマー回路の考え方をそのまま使います。 「何秒待つか」だけでなく、「何を待ってから動かすのか」を見るのがポイントです。

遅延起動回路の簡略ラダー例

ここでは、起動条件X0がONしてから5秒後に出力Y0をONする例で考えます。

遅延起動回路の簡易ラダー例
X0でタイマーT0を起動し、T0接点でY0を出力する基本例です。実際の命令名やデバイス番号はPLC機種により変わります。
条件 動作 見方
1段目 X0 起動条件 T0 K50 X0がONすると、T0が5秒を数え始める
2段目 T0 接点 Y0 出力 T0が時間到達すると、Y0がONする
途中解除 X0 OFF T0解除 入力条件が切れると、基本的にはタイマーも解除される

GX Works3で見るときの注意

タイマーの設定値や単位は、PLC機種・命令・設定によって変わります。実機では必ず使用しているCPUと命令表記に合わせて確認してください。

現場ではどんな場面で使う?

遅延起動回路は、設備を安全・確実・順番通りに動かすためによく使います。

  • 起動ボタンを押して数秒後にモーターを動かす
  • ランプやブザーを少し遅らせてONする
  • エア機器やセンサーが安定するまで待つ
  • 前工程が終わってから次工程を動かす
  • 起動直後の誤検知を避けるために確認時間を作る

実務では「なぜ待たせているか」を見る

遅延時間には、機械側の動きや安全上の理由があることが多いです。 ただ時間だけを見るのではなく、設備の動き・センサーの状態・前後の条件とセットで確認します。

遅延起動回路で確認したいポイント

何をきっかけに待つか

押しボタン、センサー、内部リレーなど、どの条件でタイマーが始まるかを確認します。

何秒待つ設定か

K値やタイマー単位を見て、実際にどれくらい待つのか確認します。

待った後に何が動くか

タイマー完了接点が、どの出力や次工程条件につながっているかを追います。

途中で入力が切れた時

タイマーがリセットされるのか、保持されるのかを確認します。

時間だけを変えない

遅延時間を変更すると、設備の動作順や安全確認のタイミングが変わることがあります。 現場では、タイマー値だけでなく前後の条件も一緒に確認することが大切です。