この記事が向いている人
- 自己保持を解除する考え方を知りたい人
- 異常保持とリセット入力の関係を整理したい人
- ラダー図でリセット回路を追えるようになりたい人
リセット回路は、自己保持や異常保持などで残っている状態を解除し、回路を元の状態に戻すための回路です。
たとえば、異常が発生した時にランプやブザーを保持しておき、作業者が確認した後にリセットボタンで解除するような場面で使います。
大切なのは、リセットボタンを押すことそのものではなく、「何を解除するのか」「解除したあとに何がOFFになるのか」「再起動してよい条件がそろっているのか」を分けて見ることです。
先輩リセット回路は「押したら全部元通り」と考えるより、何の保持を解除するのかを決めて見ると分かりやすいです。
新人つまり、リセットボタンだけを見るのではなく、解除される出力や保持回路まで追う必要があるんですね。
リセット回路で最初に見るのは、保持されている状態です。
自己保持回路では、一度起動した出力が、自分自身の接点によってONし続けることがあります。リセット回路は、その保持を解除して、出力をOFFに戻す役割を持ちます。
PLCで見る場合は、リセット入力を条件に入れて、保持回路が成立しないようにします。GX Works3でモニタする時も、リセット入力が入った時に自己保持接点や出力コイルがどう変わるかを見ると追いやすいです。
リセットボタンを押しているのに動きが変わらない場合、リセット入力が入っていないのか、ラダー上で解除条件になっていないのか、出力側が別条件で保持されているのかを分けて確認します。
| 見る場所 | 内容 | 現場での確認 |
|---|---|---|
| リセット入力 | リセットボタンや確認ボタン | 入力ランプやラダーモニタでONしているかを見る |
| 保持回路 | 自己保持や異常保持の条件 | リセット入力で保持が切れるかを見る |
| 出力 | ランプ・ブザー・接触器など | リセット後にY出力がOFFになるかを見る |
| 復帰条件 | 再起動してよい条件 | 異常原因が残っていないか、起動条件が正しいかを見る |
ここでは、自己保持回路にリセット入力を追加する形で見ていきます。
実機メーカーの画面そのものではなく、考え方を追いやすくするための簡略ラダー例として整理します。
左側の例は、X0起動でY0出力がONし、Y0の接点で自己保持する基本形です。X1停止が入ると、回路が切れてY0がOFFになります。
右側の例では、そこにX2リセットを追加しています。リセット入力が入ることで保持条件が切れ、Y0出力がOFFに戻ります。
安全扉、非常停止、安全リレーなどに関わる回路では、リセット後に勝手に機械が動き出さないように考える必要があります。この記事では基本の考え方を扱い、安全回路の詳細設計とは分けて整理します。
リセット回路では、解除だけでなく復帰条件も大切です。
リセットボタンで保持を解除できても、異常原因が残ったまま再起動できてしまうと、同じ異常を繰り返したり、危険な動きにつながったりすることがあります。
リセット前に、異常入力やセンサ状態が正常に戻っているかを確認します。
リセット後に、ランプ・ブザー・接触器などの出力がOFFになっているかを確認します。
リセット後に、起動ボタンや運転条件を満たした時だけ再起動するように考えます。
リセットした瞬間に出力がONしないか、自動復帰して危険な動きにならないかを確認します。
リセット入力で保持が解除されても、その直後に別条件で出力が再ONする場合があります。リセット後の状態までセットで確認すると、トラブルを避けやすくなります。
リセットが効かない時は、リセットボタンだけを疑うのではなく、入力、ラダー、出力、復帰条件を順番に確認します。
特に自己保持が絡む回路では、どこか別の条件で保持が残っていることがあります。モニタで接点の状態を追いながら、どの条件が出力をONさせているかを見ることが大切です。
リセットボタンが正しく動作し、PLC入力やリレー入力に信号が入っているか確認します。
リセット入力が入った時に、自己保持接点や保持条件が切れているかをラダーで確認します。
リセット後に、Y出力やリレー出力がOFFになっているかを確認します。
リセット後に、起動条件や異常条件が残っていて、すぐ再ONしていないか確認します。
リセットは保持状態を解除する操作であって、安全確認が完了したことを自動的に意味するわけではありません。実機では、原因確認と復帰条件を必ず分けて考えてください。