制御系の入口記事

ラダー図の読み方入門
電気工事士向けにやさしく整理

ラダー図は、最初は難しく見えやすいですが、いきなり全部を覚える必要はありません。 まずは「入力が入る」「条件がそろう」「出力が動く」という流れで追えるようになると、かなり見やすくなります。

向いている人

  • 制御盤や設備まわりの仕事でラダー図を見る機会がある人
  • GX Works3をこれから触る、または触り始めた人
  • ラダー図を見ても何から追えばいいか分からない人
  • トラブル時に最低限の流れを追えるようになりたい人

まだ不要な人

  • 配線作業だけで、今のところ制御回路を見る予定がほぼない人
  • 詳しい命令や応用制御を今すぐ覚えたい人
  • まずは電気図面や接続図の見方を優先したい人

先に結論

  • ラダー図は左から右へ条件が通るかを見ます。
  • 基本は入力 → 条件 → 出力の流れです。
  • トラブル時は動かない出力から逆に追うと見やすいです。

この記事でわかること

1. 先に結論

ラダー図は、左から右へ「条件が通るか」を見るのが基本です。 まずは 入力(押しボタン・センサ)→ 条件(接点)→ 出力(ランプ・リレー・電磁弁) の流れで追うと分かりやすくなります。

最初から難しい命令を追うより、どの入力で、何がONして、何が動くのか を一つずつ見る方が現場では役立ちます。

ラダー図は「条件がそろったら右側が動く」で見る

ラダー図をいきなり全部読もうとすると難しく感じます。 まずは1段ずつ、左側の条件が成立しているか、その結果として右側の出力が動くかを見るだけでも十分です。

先輩

先輩ラダー図は、最初から全部を理解しようとしなくていいよ。まずは左から右へ、条件が通るかを1段ずつ見れば大丈夫。

新人

新人入力、条件、出力の流れで見れば、どこから追えばいいか分かりやすくなりそうです。

2. まずは「左から右へ流れを見る」と追いやすいです

ラダー図は、見た目が少し独特ですが、考え方はそこまで複雑ではありません。 基本は左側に条件、右側に結果があります。

たとえば、押しボタンが押された、センサが入った、停止条件が解除されている、といった条件が左側でそろうと、 右側にある出力コイルがONします。 この「条件が通ったら、右側が動く」という見方が基本です。

入力を見る

まずはどのスイッチ、センサ、信号が入ると回路が動くのかを見ます。

条件を見る

途中にある接点がON条件なのか、OFF条件なのかを確認します。

出力を見る

右側にあるコイルや出力で、何が動くのかを見ます。

流れで追う

1個ずつ部品を覚えるより、どの順で動くかを流れで見る方が追いやすいです。

入力接点と条件接点を通って出力コイルがONするラダー図の基本フロー
いちばん基本の見方は、入力 → 条件 → 出力の流れです。

横一段ごとに意味があると思うと見やすい

ラダー図は「はしご」っぽい見た目ですが、実際は横一段ごとに意味があります。 1段の中で、左から条件を見ていき、最後に右側のコイルや出力がONするかどうかを見る、という感じです。

3. a接点・b接点は「普段どうなっているか」で見ると分かりやすいです

ラダー図を見始めると、最初に出てきやすいのがa接点とb接点です。 ここはつまずきやすいですが、普段の状態で開いているか、閉じているかで考えると整理しやすいです。

種類 普段の状態 入力が入った時 見方のコツ
a接点 開いている 閉じる 条件が成立したら通るイメージです。
b接点 閉じている 開く 条件が成立したら止める・切るイメージです。

a接点は「入ったら通る」

a接点は、通常時は開いていて、対象の信号がONすると通る接点です。 押しボタン、起動条件、運転許可などでよく出てきます。

b接点は「入ったら切れる」

b接点は、通常時は閉じていて、対象の信号がONすると切れる接点です。 停止条件、異常条件、インターロックなどでよく使います。

記号だけで覚えようとすると混乱しやすい

初心者のうちは、a接点・b接点を記号だけで覚えようとすると混乱しやすいです。 「この条件が入ると通すのか、切るのか」で見た方が追いやすいです。

4. 自己保持は「一度入ったら自分でつなぎ続ける」と考えると見やすいです

制御回路でよく出てくるのが自己保持です。 これは、スタート信号が一瞬でも入ったら、その後は自分の接点で回路をつなぎ続ける形です。

モータ運転、ポンプ運転、設備スタートなどでよく見ます。 ラダー図を読み慣れていない時でも、自己保持が分かるとかなり見やすくなります。

停止b接点と起動a接点、自己保持接点を含む自己保持回路のラダー図例
自己保持の基本イメージ。停止b接点、起動a接点、自己保持接点を順番に見ます。

自己保持を読む時の流れ

  1. 停止条件が解除されているかを見る
  2. 起動ボタンが入ると出力がONする
  3. 出力がONすると、自分の接点でも通るようになる
  4. 起動ボタンを離しても、回路が保持される
  5. 停止ボタンや異常条件で切れると止まる

自己保持は「起動ボタンを押しっぱなしにしなくても動き続けるための回路」

最初のきっかけは起動ボタンですが、その後は出力が自分で自分の回路をつなぐイメージです。 ここが見えると、設備の運転回路をかなり追いやすくなります。

5. トラブル時は「動かない出力」から逆に追うと見やすいです

現場でラダー図を見る場面は、新規作成よりも「なんで動かないのか」「どこで止まっているのか」を確認する時が多いと思います。 そういう時は、最初から全部を読むより、動いてほしい出力から逆に追うと分かりやすいです。

1. まず出力を決める

モータが回らないなら、そのモータを動かす出力やリレーを見ます。

2. 出力の手前を見る

その出力の手前で、どの接点が通っていないのかを確認します。

3. 停止・異常条件を見る

b接点で止まっていることも多いので、ここを見落とさないようにします。

4. 実機信号と照らす

図面上だけでなく、押しボタン、センサ、ランプの実際の状態と合わせて見ます。

GX Works3のモニタと実機を合わせて見る

ラダー図だけ見て悩むより、GX Works3のモニタで実際のON/OFFを見ながら追うとかなり分かりやすいです。 どの条件が入っていて、どこで止まっているかを順番に見ます。

「読みにくいラダー」より「追いやすいラダー」が大事です

制御は難しく見せようと思えばいくらでも難しくできますが、設備トラブル時に後から見た人が追えないと困ります。 現場では、凝った書き方よりも、誰が見ても流れが追いやすいことの方が大事です。

コメントが入っている、条件のまとまりが分かりやすい、自己保持や停止条件が見つけやすい、というだけでもかなり変わります。 この記事もその温度感で整理しています。

新人

新人動かない時は、最初から全部読むより、動かしたい出力から戻って見る方がいいんですね。

先輩

先輩そうだね。出力の手前でどの条件が切れているかを見れば、原因をかなり絞りやすいよ。

6. 最初はこの4つを押さえるとかなり読みやすくなります

  1. 左から右へ見て、条件が通るかを追う
  2. a接点は入ったら通る、b接点は入ったら切れるで見る
  3. 入力 → 条件 → 出力の流れで読む
  4. トラブル時は出力から逆に追う

この4つだけでも、ラダー図の苦手意識はかなり減ります。 まずは1段ずつ落ち着いて追えるようになるだけで十分です。

7. ラダー図の読み方でよくある疑問

Q. ラダー図は全部暗記しないと読めませんか?

最初から全部覚える必要はありません。 まずは入力、接点、出力の流れが追えればかなり読みやすくなります。

Q. a接点とb接点が毎回こんがらがります

記号だけで覚えようとせず、「信号が入ったら通すのか、切るのか」で見ると整理しやすいです。

Q. 現場でラダー図を見る時、どこから見ればいいですか?

動かしたい機器に関係する出力から見て、その手前の条件を逆に追うと分かりやすいです。

8. まとめ

ラダー図は、左から右へ条件が通るかを見て、右側の出力が動くかを確認する図です。 最初から難しい命令を追うより、入力、条件、出力の流れを1段ずつ見ると理解しやすくなります。

  • ラダー図は左から右へ条件を追う
  • a接点は入ったら通る、b接点は入ったら切れる
  • 自己保持は、一度入ったら自分の接点でつなぎ続ける回路
  • トラブル時は、動かない出力から逆に追うと原因を探しやすい

ラダー図の読み方が少し見えてきたら、入力と出力、自己保持、インターロック、PLCの全体像へ広げると理解しやすいです。